うそとほんとすなとねこ

風の向くまま気の向くまま、自称読書家が今まで読んだ本を羅列する程度のブログです。

ジョージ・オーウェル『1984年』【後編】

どうも、沙猫です。『1984年』書評、読んでくださり有り難うございました。 昨日の回では全体主義国家オセアニアの「二重思考」について書きましたが、 (まだ読んでない人はここ↓から飛んで読んでね) hontsandnyanko.hatenadiary.com 今回は物語のなかでも…

ジョージ・オーウェル『1984年』【前編】

どうも、沙猫です。 さて皆さん、失言って困った問題ですよね。おありでしょうこんな経験。雑学の大家だと周りに言われて調子に乗り、テレビのクイズ番組で自信満々に誤答した。障害者は生産性が無いとか教育勅語は悪いもんじゃないなどと言って、政治・社会…

夏目漱石『夢十夜 他二篇』(「文鳥」「永日小品」)

どうも、ドイツ帰りの沙猫です。今回は私が留学していた時、日本から持ち込んで心の支えにしていた本について語りたいと思います。Twitterに読書メモ上げてたから知ってる人は知ってたかもね。 それでは聞いてください『夢十夜(他二編)』。 きっとニュース…

【詩】パウル・ツェラン「死のフーガ」

どうも、お久しぶりの沙猫です。すいませんね。ドイツの語学学校行かせてもらってました。そのせいでネタはあったくせに中々書けずにいました。屑です。今回はいつもと趣向を変えて、自分が最近気に入った詩の紹介。また縁起でもねえ話なんだろって? ご名答…

【評論】ミシェル・ヴォヴェル『死の歴史』【長い】

どうもお久しぶりです、沙猫です。さて、先日リメンバーミー評を書いた所評判がよろしかったようで、それこそ『レインツリーの国』の記事を抜くアクセス数。感謝の極みでございます。調子に乗った沙猫は味を占めて、さっき話した「研究」の参考文献を紹介し…

リー・アンクリッチ (ディズニー/ピクサー)「リメンバー・ミー」後編

どうも、沙猫です。 ディズニー・ピクサーの最新作「リメンバー・ミー」ネタバレ感想文、いよいよ後半のネタバレパートです。前編(概要と美術面講評)はこちらのリンクから→(http://hontsandnyanko.hatenadiary.com/entry/2018/04/03/160000 ) ここから先…

【映画】リー・アンクリッチ(ディズニー/ピクサー)「リメンバー・ミー」前編

どうも、沙猫です。 先日、見に行った映画で柄にもなく号泣して……泣き疲れて帰るやいなや眠ってしまう始末。しかもアニメ映画で。 もうおわかりですね、弊ブログ二度目の(とても長い)映画感想文でございます。 それでは聞いてください、ディズニー&ピクサ…

稲泉連『「本をつくる」という仕事』

こんにちは。古本屋でお気に入りの小説を安く買えてホクホクの沙猫です。 それはそうと今回の本題へ。 このブログをお読みになった皆さんの中で「本にかかわる仕事がしたい・したかった」とお思いになった方。貴方ですよ。どんな仕事を想像なさっていました…

三谷幸喜「清須会議」【映画】

どうも、沙猫です。今日はこないだの予告通り、私が最近見て気に入った映画について語ろうと思います。皆ご存じな、こぢんまりとした楽しいやつですよ。 それでは聞いてください、三谷幸喜「清須会議」。 この映画は、コメディ映画監督の三谷幸喜氏が手掛け…

【告知】映画感想文を書きたい話

告知 どうも、沙猫です。今日は大事なお話があって伺いました。 ブログのネタについてのお話です。しっかり読みましょう。 私ね、読書も大好きだけど、映画を見るのも好きなんですよ。色々語りたい映画とかあるんですよね、こぢんまりとした邦画とか、何年か…

安部公房『壁』より「S・カルマ氏の犯罪」

どうも、沙猫です。 実は先日、知人達と小さな読書会に参戦して参りまして。今回はその折に紹介した私おすすめの一冊をば。五十年代に書かれた作品でありながら、現代の倫理・社会的諸問題にも通じるところのある、芥川賞を受賞した本。 それでは聞いてくだ…

スティーヴン・キング『シャイニング』

どうも、沙猫です。こないだは汚い言葉遣いと乱文を失礼いたしました。ニートとか不倫とか、ちょっと主人公の所行に納得いかなかったものですから。 すっかり暖かくなってきましたね。 学生さんや子連れの親御さんは、春休みに託けてどこかへお出かけする事…

夏目漱石『それから』

どうも、沙猫です。現大学三年生の諸君は、もう就活本番でしょうね。全く頭の痛い話だ。毎日歯の浮くようなツイートを2、3と、小説をたまに書くだけで月収40万とか入る仕事があればよかったのに。 それにつけても、就職の問題は一生を賭ける問題。たぶん…

有川浩『レインツリーの国』

どうも、沙猫です。 弱者の権利だバリアフリーだといった話が現れて久しい今日この頃でありますが、このバリアフリーとはよく言ったものでして。たとえば若人と高齢者、障碍者と健常者の生活を妨げる「障壁(バリア)」から自由になろうって訳です。 だがま…

カミュ「異邦人」

どうも、沙猫です。今日も楽しく、私の心をびりびりと震わせた本を紹介していこうと思います。当然のようにネタバレを含むのであらかじめご了承ください。 今日のお題はアルベール・カミュの名著『異邦人(窪田啓作訳、新潮文庫、1954年初版)』です。 主人…

カフカ「変身」

どうも、沙猫です。 記念すべき書評第一回は、皆大好きカフカの「変身」をレビュー致します。 ※当然のようにネタバレがあるほか、一部、別の小説との比較を含みます。 ある朝、グレゴール・ザムザが目を覚ますと、大きな毒虫になっていた。 翻訳によって多少…

はじめに【ご挨拶】

はじめまして。「うそとほんとすなとねこ」管理人の「沙猫(すなねこ)」です。わざわざネットの海で足を止めて、当ブログをご覧になっているあなたにちょいとご挨拶。 元々私、ツイッターで140字書評を投稿していた、しがない読書人(笑)でして。 140字じ…